2012年10月01日

天才数学者 ジョン・フォン・ノイマン

ジョン・フォン・ノイマン(1903〜1957)はハンガリーのブダペスト出身のアメリカの数学者。数学・物理学・工学・計算機科学・経済学・気象学・心理学・政治学に影響を与えた20世紀屈指の大天才。原子爆弾開発のためのマンハッタン計画に参加していた人物でもあり、日本人としては複雑な心情になりますが、やはりその超人的な頭脳には畏怖を覚えざるをえません。アラン・チューリングと並んでコンピュータ理論における最も重要な人物のひとりでもあり、現代社会において彼の業績の恩恵にあずかっていない人間は皆無なのではないでしょうか。あまりの頭の回転の速さは電光石火と評され、本当か嘘か解らないいろんな逸話に彩られた人物で、とても興味を惹かれます。

【ゲーム理論】
「賭けるか引くか」「つき合うか別れるか」「協調するか裏切るか」社会生活の中のあらゆる部分でみられる駆け引きを数学モデルで厳密に分析する応用分野の広い学問で、ノイマンとジョン・ナッシュというふたりの天才によって創始された理論です。
そもそも私がノイマンに興味をもったのはダグラス・ホフスタッター著「メタマジック・ゲーム」で、ゲーム理論の有名なモデル「囚人のジレンマ」を面白く紹介している章があり、それを読んだのがきかっけでした。とくに、ロバート・アクセルロッドによる「囚人のジレンマ」のモデルを応用した繰り返し型のコンピュータシミュレーションの紹介はとてもスリリングな内容で凄く面白かったです。これはアクセルロッドの著書「つきあい方の科学」にも書かれている内容ですが、一部の専門家からは批判もある内容で一概に鵜呑みにはできないのかもしれませんが、「生き方」というか「人生論」的なものまで数学モデルでの解釈が可能性なのかもしれない、という展望を感じさせるユニークなものでした。

【自己増殖する機械】
ロボット開発がまだファンタジーだった時代にすでに「自己複製する機械」のアイデアを着想。つまり機械が生物のように子供を作ることが可能か?という問題で、彼は独自の数学モデルを元に「可能である」ことを証明しました。その論証はDNAの複製原理とよく似ているようで、これを証明したのはDNAが発見される前の話であるということにも驚かされます。

【ノイマン伝説】
ひらめき6歳で父と古代ギリシャ語で冗談を言い合うことができた。10歳でウィルヘルム・オンケンの『世界史全集』全44巻を読了し歴史と現代の類似点を論じたりそれを土台にした政治や軍事に関する議論をすることができた。

ひらめき世界最高の頭脳が結集する米国プリンストン高等科学研究所。ゲーデルやアインシュタインも在籍していたこともある超エリートが集う機関ですが、ここで語られたノイマンに関するジョークがあります。「フォン・ノイマンは人間ではない。人間について詳しく研究し、人間を完全に真似ることができた半魚人だ」天才達の中にあってもなお秀でた頭脳の持ち主であることが際立っていたのでしょうね。

ひらめき「私の知る限りでは、フォン・ノイマンは本や記事を一度読めば、一言一句たがわずそのまま引用することができた。それだけでなく、何年後でも瞬時に同じ事をすることができた。また、少しも速度を落とすことなしに、それを元の言語から英語に言い換えることもできた。あるとき、フォン・ノイマンの能力を試してみようと、『二都物語』の冒頭の部分を言ってみてくれと頼んだ所、一瞬もためらうことなく即座に第1章を暗唱しはじめ、もういいというまで10分か15分暗唱し続けた」ハーマン・ゴールドスタイン『計算機の歴史』

ひらめき妻クララの語るノイマン「夫は昼食に何を食べたかは思い出せなかったけれど、15年前に読んだ本を一語一語思い出すことが出来ました」

ひらめきノイマンの家で開かれたパーティに出席したビザンチンの歴史についての有名な権威がノイマンと歴史について議論をはじめた。しばらくして歴史上のある日付について意見が別れた。そこで資料を取り出して調べてみるとフォン・ノイマンのほうが正しかった。数週間後、件の歴史家はノイマン家にまた招待されたが、彼はフォン・ノイマンの妻クララに電話をかけてこう言った。「ジョニーがビザンチンの歴史の話をしないと約束してくれるなら伺います。私はビザンチンにかけては世界一の権威だと思われています。その評判を落としたくはありませんから」

ひらめきフォン・ノイマンは6歳で8桁の割り算を難なくこなすことができ、8歳で微積分までこなすことができた。

ひらめき一見すると無限級数の和を求めなくては答えが出なさそうな面倒くさい問。実は考え方をちょっと変えれば小学生でも解ける簡単な算数だったりするという、クイズの本によくのっていたりする問題があります。ある人がフォン・ノイマンにこの問題を出したところ、ふと上を見上げて即座に正解を言ったそうです。その人は「なぁんだ。タネを知ってたんですか」と尋ねるとフォン・ノイマンは答えたそうです。「タネって何だい?無限級数の和を求めただけなんだが」
(ノイマンに出題したのはこれと似たクイズだと思われます。)

ひらめきノイマンの天才ぶりを表現した有名なジョーク
「核物理学の計算を行うとき、フェルミは手回し計算機で、ファインマンは計算尺で、ノイマンは天井を見ながら計算した」
(ちなみにフェルミもファインマンもノーベル賞を受賞したこともある天才物理学者です)

人間の領域を超えた天才といわれたくらいの人物なので、彼につきまとう伝説も信じがたい面白いものが多いですね。こことかここなど、他にもそういった伝説を紹介しているサイトがあって興味深いです。ついでにノイマンの肉声が聞けるインタビュー動画

以上ネタ元はゲーム理論の紹介を中心に書かれたフォン・ノイマンの伝記『囚人のジレンマ』ウィリアム・パウンドストーン著その他を参照しました。
P9220056.jpg
タグ:数学
posted by 八竹彗月 at 08:48| Comment(0) | 数学

2012年09月23日

メランコリー・メリーゴーランド

今、外は雨です。残っていたアールグレイのティーバッグで一服しながら今の気分で選曲してみました。

Bruno Nicolai & Edda Dell'orso「Allora, Il Treno」
イタリア音楽界の重鎮ブルーノ・ニコライ。エッダのダバダバな気持ちいいヴォーカルが高揚感を誘う素敵な楽曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ij-vsTdNT2c

Jazzamor「Around 'N' Around」
Jazzamorはドイツのジャズポップユニット。ジャザモールと読むらしい(?)。ムーディーでお洒落な曲が多く、よくソレ系のオムニバスにこのユニットの曲がチョイスされているのを見かけますね。この曲もメランコリックでメロディアスな感じで素敵です。アルバム「Lazy Sunday Afternoon」に収録されています。ジャズやボサノヴァのテイストが心地いい良質のアルバムです。
http://www.youtube.com/watch?v=ybcUOocWtzM

The Beatles「For No One」
ビートルズの曲はほとんど聴きましたが、中期のものが一番好みで、アルバムでは「リボルバー(Revolver)」と「ラバーソウル(Rubber Soul)」が好きです。選んだ曲は「リボルバー」から。
http://www.youtube.com/watch?v=J6iAykoKLog

Ben's Synphonic Orchestra「A Short Trip To Brazil」
ベンズ・シンフォニック・オーケストラはフランス人Benoir Raultの一人ユニット。曲は1999年のやたら完成度の高いデビューアルバム「Jank Shop」に収録されてるものですが、その才能に反してなぜか世間の注目度は低いですね。私はたまたま当時HMVの試聴版を聴いてCDを衝動買いしました。耳馴染みのいいメロディを軸としながらシニカルでアヴァンギャルドなスパイスを利かせているところはフランス人らしい個性ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=EjcV9vWOqpg

Parov Stelar「Charleston Butterfly」
レトロなスウィングジャズを今風のグルーヴ感のあるハウス調のアレンジで構築した感じでカッコいいです。 収録されてるアルバムは「Sine」と「That Swing」ですが、この曲以外はハウス風味が強いダンスミュージックです。パロヴ・ステラーはオーストリアのDJ。
https://www.youtube.com/watch?v=vnBXciglPPk

Happy Mondays「Bob's Yer Uncle」
渋くてカッコイイ軽快な曲です。ハッピー・マンデーズは英国のロックバンド。84年のデビューから解散と再結成を繰り返し今に至るようです。
http://www.youtube.com/watch?v=m79WvFAWOqw

Fantastic Something「Melancholy Bay」
ファンタスティック・サムシングは80年代ギリシャのネオアコバンド。以前の記事でもピックアップしたアーティストですが、この曲も大好きです^^ 
http://www.youtube.com/watch?v=vaSt6km3rYc

P9230001.jpg
米国の男性誌『Rogue』表紙 1962年4月号
タグ:音楽 洋楽
posted by 八竹彗月 at 09:09| Comment(2) | 音楽

2012年09月22日

キモノ・ファンタジア その弐

P9220104.jpg
夏の海辺。素晴らしい楽園感覚ですね〜 鮮やかな色使いながらとても上品なイラストです。
「課外の友」幼女の友社 昭和4年8月1日

k1.jpg
P9220082.jpg
P9220083.jpg
着物美人の絵葉書 明治、大正時代
着物の魅力って、きらびやかな柄に彩られているにもかかわらず、ゴテゴテした印象が無く、なぜか透き通るようなリリシズムを感じるところですね。激しい運動には不向きな衣装ですが、そういった動作の制限さえも女性の内からにじみ出る美を際立たせるのかもしれません。

P9220098.jpg
お化粧を習う少女

P9220102.jpg
竹久夢二とお葉。お葉は、緊縛絵師として名高い伊藤晴雨のモデルでもあり愛人関係でもありましたが、後に彼女は伊藤の元を去り夢二とつき合うようになります。夢二の美人画から抜け出てきたようなか弱く繊細な雰囲気のお葉ですが、見かけによらず悪女だったんでしょうね〜 まさにファムファタール(運命の女)といった感じでミステリアスな女性ですね。

P9200039.jpg
P9200023.jpg
着物女性が描かれた広告やカット。宮武外骨の監修している媒体に掲載されてるだけあって、ちょっぴりエッチでユーモラスですね。
「奇抜全集」滑稽新聞社刊 昭和6年
posted by 八竹彗月 at 15:57| Comment(2) | 古本

2012年09月11日

キモノ・ファンタジア

P9110024.jpg
気品あふれる戦前の侯爵令嬢姉妹。
「アサヒグラフ」昭和2年 第9巻・第8号
P9110025.jpg
女優の原こま子。映画「駐在巡査」からのワンカット。
同上
P9110036.jpg
大阪の実業家のご令嬢。
「アサヒグラフ」昭和2年 第9巻・第13号
P9110041.jpg
諸口十九と筑波雪子。
同上
P9080006.jpg
表紙の美人画。
「歴史写真」大正14年1月号 歴史写真舎
P9080003.jpg
書き初めをする着物美人。
同上
P9110012.jpg
「アサヒグラフ」昭和4年 第13巻・第13号
P9110013.jpg
同上
P9110014.jpg
同上
P9110015.jpg
同上
P9110046.jpg
「アサヒグラフ」昭和3年 第10巻・第13号
タグ:少女 古本
posted by 八竹彗月 at 15:11| Comment(2) | 古本

2012年09月01日

ACID JAZZ

アシッド・ジャズ(acid jazz)は、1980年代にイギリスのクラブシーンから派生したジャズの文化。ジャズ・ファンクやソウル・ジャズ等の影響を受けた音楽のジャンル。(ウィキペディア「アシッドジャズ」より)
アシッドというと幻覚剤LSDの俗称なので、「アシッドジャズ」という名前もどこかサイケで危険な匂いを感じますが、とくに深い意味は無いようで、80年代後半に英国のクラブDJがブースの奥で点滅している「ACID」の文字を見て適当に「アシッドジャズ」と発したことが発端のようです。以下、主に90年代のコンピ『The Rebirth Of Cool』シリーズからのチョイスです。

Caveman「Introduction To A Caveman」
スタイリッシュなファンクといった感じの、渋くてお洒落な曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ejMJ3r96ZQk

UMC's「One To Grow On」
ゆるい感じのバックトラックにリズミカルに乗るラップがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9X4uZqxcwSU

X-Clan「Raise The Flag」
ファンク、ヒップホップ風味な感じでかっこいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=YcpwkOqssSw

Palm Skin Productions「Spock With A Beard」
ジャズテイストのスピード感のある曲でとてもクールです。
https://www.youtube.com/watch?v=r9KiO8yBM4I

P1040006.jpg
タグ:音楽 洋楽
posted by 八竹彗月 at 15:37| Comment(0) | 音楽