2012年06月21日

思い出のビデオアートとスティーブ・ライヒ

晴れ『PAPERS』Yoshinao Satoh
永らく探していた傑作ビデオアートがアップされていて、久々に感動しました。制作者ご本人の投稿のようで、画質も申し分無く、ありがたいことです。新聞という身近な素材に目をつけたアイデアもさることながら、その料理の仕方が天才的。音楽はスティーブ・ライヒの「ディファレント・トレインズ」、せき立てるようなサスペンスフルな音がよく合ってます。その昔、アマチュアバンドの発掘を目的にした「イカすバンド天国」通称「イカ天」というテレビの深夜番組がブームになり幾多のバンドを輩出しましたが、その後継となるビジュアルクリエイターを発掘していく番組「エビ天」のほうはあまり話題になることなく消えていきました。私はむしろイカ天より好きな番組だったのですが。その中でもひときわ異彩を放つ作品を見せてくれていたのがこの人の作品でした。中でもこの「PAPERS」はエビ天でもっとも印象的な作品でしたね〜
『PAPERS』Yoshinao Satoh

晴れSteve Reich
ミニマル音楽を代表する現代音楽の巨匠スティーブ・ライヒ。実験的な音楽でありながら高尚で退屈なだけの音楽に陥ることはなく、とてもカッコイイ楽曲に仕上げるその手腕はまさに天才。彼の音楽はテクノなどのポップミュージックへの影響も大きく、その存在感は圧倒的なものを感じます。その昔アートショップで流れていたカッコイイ音楽に一目惚れし、店員さんに曲名を教えてもらったのが「6台のピアノ」でした。その後、ライヒ作品を集めていくうちにハッとしたのが、上記のビデオでBGMに使われていてずっと気になっていた曲「ディファレント・トレインズ」でした。汽笛のサンプリングと弦楽器のせめぎあいがスリリングでカッコイイ作品ですが、この曲は、アメリカに住んでいたライヒの幼少期に遠くヨーロッパで起こっていたホロコーストを題材にしているようです。少年期の汽車の旅の思い出と重なり「もし、ユダヤ人である自分があの時代にヨーロッパにいたらどうなっていただろうか?おそらく、強制収容所行きの、全く違う汽車(Different Trains )に乗ることになっていたのではないか?」という考えから発想されたそうです。
ビデオアーティストである奥さんとのコラボ「ザ・ケイヴ」のライブをかなり前に渋谷の文化村で見ましたが、圧倒的な体験でした。タイプライターをリズミカルに叩く音からはじまる一風変わった前衛オペラで、とても感動しました。

以下、私の好きなスティーブ・ライヒ作品。オリジナルはどれも15分前後の楽曲ですがリンク先のものは途中で切れてるものが多いですね。リンク先のファイルがどの程度オリジナルをカットしているのかが気になる方もおられると思うので、一応オリジナルバージョンのだいたいの演奏時間を参考の為に自前のCDを参照しながら併記しておきます。同じ楽曲でも演奏者の異なるアルバムでは微妙に時間は前後するので、あくまで私の持っているアルバムでの時間です。

るんるんSteve Reich「Six Pianos」
(6台のピアノ)1973年 演奏時間21:43
機会がありましたら全篇聴いてほしい曲ですね〜 私の持ってるCDはリンクとは別のピアノ・サーカスというユニットが演奏しているもので、「6台のピアノ」の演奏者の中では一番力強い演奏をしています。(Piano Circus [6 Pianos/In C])ピアノ・サーカス版では、7分過ぎからのパートと、15分あたりからのパートが背筋がゾクゾクするようなハイテンションで演奏していて、とても聴きごたえがあります。


るんるんSteve Reich「Music For Mallet Instruments, Voices And Organ」
(マレット楽器、声およびオルガンのための音楽)1973年 演奏時間15:53
瞑想の時の呼吸のような不思議な高揚感を伴うコーラスに癒されます。


るんるんSteve Reich「Music For A Large Ensemble」
(大アンサンブルのための音楽)1978年 演奏時間15:28
ゆったりとした旋律とハイテンポな旋律が同居しながら壮大な異空間を形作っています。


るんるんSteve Reich「Octet」
(八重奏曲)1979年 演奏時間17:29
躍動する音の重なりが気持ちいい。


るんるんSteve Reich「Different trains (part I) 」
(ディファレント・トレインズ)1988年 演奏時間8:59

るんるんSteve Reich「Different Trains (Europe - During the war) 」
演奏時間7:31
「ディファレント・トレインズ」は3部構成で、それぞれ戦前、戦中、戦後に別れています。これは戦中を描く「ヨーロッパ編」。ビデオがカッコよかったのでコレも追記しました。


P6210022.jpg
posted by 八竹彗月 at 23:11| Comment(2) | 音楽
この記事へのコメント
ライヒと言えば高校時代の親友がかなり好きでしょっちゅう聴いてました。
私はというとフィリップグラスが大好きだったのでライバル心からかライヒは聴かないようにしていました、あ〜勿体ないことをしたw
懐かしい10代の想い出です^^
Posted by dekoya at 2012年07月01日 04:09
スティーブ・ライヒ、フィリップ・グラス、マイケル・ナイマンあたりが人気の高いミニマル系現代音楽の御三家だと思いますが、なぜかフィリップ・グラスは「海辺のアインシュタイン」くらいしか聴いてないですね〜 機会をみて他のも聴いてみたいと思います^^

ライヒの好きなところは、クラシック的なニュアンスよりもクラフトワークのようなアヴァンギャルドロック系に近い質感があるところですね。ジョン・ケージのように思念的すぎるハッタリが無いのもいいですね。「○○のような」という例えが利かない別世界の音楽のようなインパクトがあって、どっぷりハマりました。

しかしまぁ、高校時代からライヒやらグラスやらで盛り上がれるというのはかなり音楽というものに深入りしている感じで羨ましいですね〜
私の高校時代はビルボードチャートのヒット曲でうかれている程度の浅いものでした(^□^;
Posted by イヒ太郎 at 2012年07月01日 20:08
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