2012年05月24日

怪奇世界

今回は秘蔵のカストリ雑誌『別冊・怪奇世界』(昭和26年)をお送りします。カストリ雑誌とは、戦後の出版自由化の中で出版されたエログロに特化した成人雑誌のことです。名前の由来の「カストリ」は粗悪な合成酒のことのようで、「3合(3号)で(酔い)潰れる」というダジャレが元になっています。雨後のタケノコのように創刊しては数号で廃刊するというのを繰り返していた事から生まれた言葉のようですが、由来を知ると粋な言葉のように聞こえてきますね〜

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怪しい雰囲気にシビれます。雑誌名や表紙のムードは怪奇な感じですが、「怪奇」はこの時代特有の語彙で、「怪奇」「猟奇」「奇抜」などは、しばしばSMやスワッピングなどのマニアックな性愛のことを意味した使われ方をしています。こういう言い回しが当時流行ってたのでしょうね。「家畜人ヤプー」が掲載されていたことでも有名な『奇譚クラブ』もオカルティックな誌名ですが緊縛SM系の雑誌でした。他に『風俗奇譚』『猟奇』『怪奇雑誌』など一見オカルト風のエロ雑誌が戦後すぐの時代に散見され、総じて表紙デザインがユニークです。個性的な雑誌も多く古書相場的にはけっこう高額なものもありますが、著名人が寄稿してたりするような雑誌ではないせいか、店によっては安価で見つかる事も多いですね。

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『別冊・怪奇世界』に掲載された味わい深いタイトルの小説。(左)『青春奇譚 女優のズロース』女性の下着は現在のような小さな可愛い感じのものでなく、当時はズロースと呼ばれるおへそまで隠れる丈の長いおばちゃんぽい下着が定番だったようですね。(右)『猟奇夜話 美女の体汁』体汁って表現が愉快な感じですね。

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お色気小説『青春奇譚 女優のズロース』のアオリ文句。「このクジを引いて当たった者は今から二十四時間以内に、千賀ちゃんのズロースを盗むのだ」変態チックながらどこか微笑ましいシチュエーションですね。

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素敵な見出しの数々。ページをめくるたび頭がクラクラしてきます。

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(上)『お姫様と小便の話』昔の大奥などの身分の高い女性たちのオシッコ事情に関する蘊蓄を述べたエッセイ。(下)小説『人体不老薬の驚異』の挿絵。

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(左)小説『裸踊りの生神様』題名のセンスがなんともいえません。(左)『人体不老薬の驚異』医学とエロは通じる所があります。

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読者の投稿コーナー。編集部の人が勝手にでっち上げたのであろう嘘くさい体験談が踊ります。右はコーナーのアオリ文句。3行の文章の中に3回も「奇抜」の単語が出てきます。推敲などという面倒な事はしないぞ!というおおらかな精神が垣間見えます。

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(上)『プラットホームを走る裸女』奇抜の名に恥じない題名です。小説のタイトルというのは、中身を読んでみたくなるようなものであることが重要ですが、そういう課題を難なくクリアしていますね〜 まだ読んでませんが。(下)奇抜怪奇なエロ小説の刊行案内。

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裏表紙です。スタイリッシュで怪奇なデザインですが、これもエロ本です。タイトルロゴがカッコイイですね。
タグ:古本 エロス
posted by 八竹彗月 at 22:33| Comment(2) | 古本
この記事へのコメント
エロ本なのに前の記事のぬりえの方がハァハァするわたくしは病気でしょうか?w
Posted by dekoya at 2012年05月26日 22:46
昔のぬりえは写実的で妙な色気がありますよね^^
ぬりえも70年代に入ると、大きな目の中に星がキラキラしてる系の少女漫画風のタッチが主流になっていきますが、私はご紹介したようなコッテリしたタッチの絵柄に妙に惹かれます。
Posted by イヒ太郎 at 2012年05月27日 00:31
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