

シビれますね〜 ストレイキャッツは老舗の米国のロカビリーバンド。以前はロカビリーというとどうも古くさい≠ニいう先入観があって食わず嫌いだったんですが、改めて聴いてみるとそんなことはなく、ものすごくカッコイイですね。力強いドラムと骨太のベースにシビれます。フリーキーなサックスがかっこいい「Wild Saxophone」は、R&Bのギタリスト、ロイ・モントレル(Roy Montrell 1928-1979)の曲「That Mellow Saxophone」のカバーなんですね。

Roy Montrell 「That Mellow Saxophone」

この曲(1991年)もノリノリのかっこいいロカビリーです。ティーンキャッツは1984年にノルウェーで結成されたロカビリーバンド。この曲の影響なのか、キャデラックっていかにもロカビリー感のある車ですね。この曲のオリジナルはヴィンス・テイラーの「Brand New Cadillac」(1959年)で、ティーンキャッツだけでなく、ストレイ・キャッツやクラッシュなどいろいろな著名バンドがカバーしていて聴き比べるのも楽しいですね。

オリジナル曲
Vince Taylor and His Playboys 「Brand New Cadillac」



最近知ったのですがすごくいい感じのバンドですね。Turnoverは2009年に結成されたヴァージニア州のインディーロックバンド。4枚のアルバムを出してますが、どの曲もクオリティが高く、ほとんどハズレ無しな感じで、安定した実力と才能を感じます。


聞こえてくるそばから耳に馴染んでくるような気持ちいいエモーショナルなポップソングです!リオ・ローマは2008年にデビューしたジョセ・ルイス・オルテガ・カストロとラウル・オルテガ・カストロの兄弟によるメキシコのポップデュオ。気持ち良さのツボを突きまくる心地いいメロディに癒されます。なんでメキシコなのにリオとローマ?と一瞬思いましたが、リオ・ローマ(Río Roma)というユニット名は「Oír Amor」(愛を聞く)の逆さ読みからきているようです。面白い洒落っ気ですね。

西洋人がアジアをテーマにした曲には、アジアっぽさというのを非アジア人が独特のエキゾチシズムとして表現する面白さというか、外から見たアジアのイメージを再確認しているような、不思議な魅力がありますね。トム・ウェイツのこの曲「シンガポール」もそんな感じで、行き場のなくなった主人公があてもなくシンガポールに流れ着いた様を歌っていて、街の暗部を彷徨う雰囲気が怪しくてぞくぞくしてくる曲です。暗黒のカーニバルな感じの、廃墟の遊園地に流れてるとハマりそうな、ガレージ感のある奇妙なリズム感がたまりません。今やシンガポールといえばGDPも世界2位の世界で最も発展している国のひとつですから、実際はこの曲のような怪し気なイメージはもうないように思いますが、ともあれ西洋人が異国の言葉が渦巻く猥雑で活気のある異世界に迷っている感じがうまく表現された曲だと思います。

80年代のヒット曲「ワン・ナイト・イン・バンコク」です。西洋人がアジアをテーマにした曲というと、細野さんのカバーでも知られる「香港ブルース」やあがた森魚さんのカバーした「上海リル」など思い出されますが、この「ワン・ナイト・イン・バンコク」もエキゾチックで奇妙なテイストの曲です。時代を感じさせるシンセのアレンジも妙にハマっていて味がありますね。

フランスとデンマーク合作のエッチな映画『集団結婚(Le Mariage Collectif)』(1971年)のサウンドトラックのようですが、音楽はすごくファンキーでアーティスティックな感じですね〜 フリーキーなオルガンのサイケ感がたまりません。欧州の60〜70年代のポルノやホラー系のキッチュな映画のサントラってなにげに掘り出し物の名盤が多いイメージがありますね。話は変わり余談ですが、日本の漫画文化は表舞台のジャンプやマガジンだけが支えてきたわけではなく、ガロやCOMなどのマイナー誌がその表現の可能性の裾野を広げていった部分も大きいと思ってます。しかし、そうしたマイナー誌出身の漫画家は発表の場が少ないので、おのずとエロ劇画誌に流れていき、そのせいか70〜80年代のエロ漫画はやたらアートがかった先鋭的な作品を生み出してきました。当時のアートなエロ漫画家というと思いつくだけでも、いつきたかし、宮西計三、ひさうちみちお、丸尾末広、蛭子能収、坐磨屋ミロ(ざまやみろ)、牧村みき、吉田光彦などなど、錚々たる顔ぶれが並びます。独創性のある個性的な作家がエロ漫画を描いていたのは、当時のエロ雑誌は裸や性行為の描写があれば物語の内容は作者の自由というアバウトな編集が主だったためだといわれてますが、こうした事情が日本の漫画表現の層を厚くしてきたのでしょうね。欧州の60〜70年代の音楽が、ポルノやホラーのような色モノ系のジャンルに掘り出し物が多いのも、おそらくそうした日本漫画の事情と似たところがありそうですね。たんなる想像ですが。



ブルーグラスな感じとフォークなテイストとサイケ感の入り交じったユニークでノスタルジックなテイストがいいですね。ホーリー・マッカレルは1968年に結成し同年に解散したアメリカのロックバンド。活動期間が短命なのは、人間関係のもつれとか?と思って調べてみたら、どうもそういうことではなく、このバンドがすでに活動中だった複数のバンド(ジェファーソン・エアプレインなど)のメンバーが集まって結成したセッションバンドであることが理由のようですね。バンド名をタイトルに冠した唯一のアルバムは、粒ぞろいで名曲の多いなかなかの傑作です。

このスタイルを意識的に選んだのですか、それともこれがあなたの気持ちを表現するためのあなたの方法ですか?
ご指摘のように、シュルレアリスム運動の初期は攻撃的でネガティブな作品が多いですが、その性質よりも、幻想的な画面を生成する手段や、遊戯的で知性的なコンセプトを好んでいます。ポール・デルヴォー、レオノール・フィニ、レメディオス・ヴァロは今でも好きな画家です。シュルレアリスムに限らず、幻想的で、神秘的で、遊戯的なものが好きです。それは日常を超えた世界への憧れでもあります。
現在は、中国の古い絵画や、アールヌーヴォー芸術に興味があります。
私が表現したいテーマは、私が到達したい理想の場所や状況のイメージであることが多いです。なので、多くの場合、楽園を意識した場所や人物を描きます。音楽の好みも同様に、神秘的な世界や理想郷に誘われるような気分にさせる音楽が好きです。
なんでこんな感じだと思いますか?なぜ日本は芸術がとても得意なのですか?
指摘されている、ルイス・キャロルやハンス・ベルメールは、日本の現代文化にとても大きな影響を与えていると思います。ハンス・ベルメールを日本に紹介したのは文学者の澁澤龍彦だと言われています。彼の紹介記事は1970年代に人形師の四谷シモンに大きな影響を与え、ベルメールの人形の構造を用いた現代日本の創作人形のジャンル「球体関節人形」が生まれました。天野可淡、吉田良の創る人形は耽美的で面白いです。
私がはじめてハンス・ベルメールを知ったのは、子供の頃に読んだ『ブルーソネット』という柴田昌弘のSF漫画からです。その漫画にはベルメールに強く惹かれた老人が登場します。それで私はベルメールに興味を持ちました。ハンス・ベルメールの奇妙な人形も面白いですが、彼の繊細な筆致の版画もとても好きです。
>なぜ日本は芸術がとても得意なのですか?
日本の芸術の状況は私は詳しくないですが、様々な理由があると思います。そのひとつは日本では「漫画」が国民的な娯楽に発展したことだと思います。漫画は誰でも気軽に読めて、誰でも気軽に描くことができます。そこで様々な表現の工夫や思想の伝達が行われてきました。それによって創作する楽しみを知る人が増えました。漫画を土台にして、アニメや映画や美術やロボット工学など、様々な創造行為に繋がっていったと思います。それが全ての理由ではないですが、大きく関係しているように私は思います。