
昨今注目をあびている「ビャン」の字。明朝体で、ちゃんとしたフォントっぽく作ってみました。
画数の多い難読漢字として脚光を浴びた「ビャン」の字のことは、ご存知の方も多いと思います。中国の陝西省(せんせいしょう)で一般的な幅広の麵である「ビャンビャン麺」の「ビャン」の字に使われるのみの超マイナーな漢字でありながら、その超ど級のマイナーさゆえに逆に注目を集めたようです。この話を知ったときに、てっきりご当地料理の宣伝のために自治体が町おこし的なノリで勝手に作った最近の文字なんだろうな、と思ってたのですが、意外に起源はまだあきらかになっていないみたいですね。しかしウィキペディアの「ビャンビャン麺」によれば、古い文献には全く出てこない文字であることはほぼ間違いないようで、ここ百年の間くらいに作られた文字らしいです。新しい文字には違いないみたいですが、とはいえ最近作られた文字というわけでもないようですね。

筆文字風。
漢字っぽいけどどこか違う感じが面白い西夏文字とか、道教のお札に書かれている漢字っぽい護符などに惹かれているのですが、この「ビャン」の字などは、まさしくそういった系統のユニークさを感じる漢字ということもあり、ずっと気になってました。いまだにビャンビャン麺は食べたことがないのですが、きしめんなどの幅広麺はけっこう好きなので、機会があれば食べてみたいです。
というわけで、今回は「ビャンビャン麺」というたったひとつの対象にしか使われていないという、文字の記号性を揺るがすような唯我独尊な文字「ビャン」に、もっと活躍の機会を与えたい!という名目でいろいろ「ビャン」と戯れてみました。

看板っぽくロゴ風にしてみました。

上のものを少しいじって意味なくかっこよくしてみました。

まんが風にしてみました。

ルービャンクキューブ

ステッカーっぽい感じで。

人名に「ビャン」の字が入っていたとしたらこんな感じでしょうか。「寿限無」は長すぎる名前の滑稽さをテーマにした落語ですが、画数が異常に多すぎる名前もなにかと不便そうです。

イラスト風。

「ビャン」は58画という複雑さですが、これ以上の画数というと「龍」を4つ組んだ「ロ」の64画(左)や、和製漢字の「たいと」の84画(右)などがあるようです。しかし、これらは単に画数の多い文字を複数並べただけですから、文字としての面白みではやはり「ビャン」に軍配を上げたいですね。