2015年11月17日

昭和モダンなタイプフェイス

昭和31年発行の『応用図案文字集』より、ユニークなタイプフェイスをいくつかチョイスしてみました。大胆なアールデコ様式のデザインがいい感じです。

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『応用図案文字集』辻克巳:編著 大同出版社 昭和31年[1956年]

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(上)「写真機」、蛇腹や三脚のイメージが上手く融合した面白いデザインですね。
(下)「音楽と蓄音機」、リズム感のある細い線が優雅です。アールヌーボーっぽい蔓草のようなパーツで構成されててお洒落。


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(上)「魔術」、芥川龍之介の小説に使用されたものでしょうかね。どことなく竹中栄太郎テイストなデザインで、伝説の探偵小説雑誌「新青年」とかにありそうな怪奇な感じがたまりません。(下)「罪と罰」、あみがしら(罒)を仮面に見立てているのが面白いですね。「罪」さんが背伸びして「エッヘン!」と威張ってるような雰囲気がかわいいです。

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(左)「星は乱れ飛ぶ」、線の細さや漢字とひらがなのバランスが見事。(中)「街頭装飾」。(右)「何々屋商店」

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(左)「白雪姫」、牧美也子の少女漫画のタイトルにありそうな夢見る少女な感じのデザインですね。こういう角のデザインは70年代あたりの少女漫画の定番ぽい感じで好きですが、そういえば「ルパン三世」もこんなデザインのロゴですよね。(右)「仏蘭西料理」、そういえば仏教国でもないフランスにご先祖様は何故「仏」の字を当てたのでしょうね。適当に当てた字が書き継がれていくうちになんとなく定着したという感じでしょうか。こちらのサイト様の情報によると、はっきりした事は不明のようですが、江戸時代ころにできた当て字のようですね。ちなみに中国語では「法国」と書くようです。

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日本全国の地名が見開きいっぱいに散らばっています。イメージ通りにデザインされた地名もあれば、ミスマッチな感じのものもありますが、こうしてデザインされると、いっそう地域ごとの個性が感じられて楽しいですね。

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「我らの生涯の最良の年」、う〜ん、毎年そうありたいものです。

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裏通りの街の看板にありそうな雰囲気ですね。半世紀以上昔の本には、こんな感じの手書きでデザインされた味のあるロゴタイプが多く手書きロゴの背表紙はひときわ本棚に栄えます。

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「男性意気」と「東洋の秘密」の文字がグラフィカルに組合わさっていい雰囲気ですね。「東洋の秘密」は縦書きと横書きをクロスにして組んでますが、よく見ると、一種類のロゴを組み替えたのではなく、ちゃんと縦と横では微妙に異なったデザインになってます。とくに「密」のデザイン処理がすごくイイですね。一文字だけ抜き出すと読みにくいデザインですが、単語として並ぶと普通にちゃんと読めてしまう、という絶妙なバランス感覚は、とても勉強になります。
posted by 八竹彗月 at 10:51| Comment(0) | 古本
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