
竹久夢二の描く可愛らしい着物少女。夢二といえば絵だけでなく、その生き方も含めて大正時代の文化を象徴する人物といえるでしょう。現代では林静一が夢二テイストを受け継ぐ絵師ですね。

これも夢二の絵。左上の少女がなんとなくつげ義春の漫画「紅い花」「もっきり屋の少女」などに出てくる女の子に似てて可愛いですね。

夏の夕暮れ、団扇を手にしたお下げ髪の少女。風流ですね〜 簾や風鈴や柳など、まさに日本の夏といった感じですね。

アールデコの様式を土台にしながら情緒ある女性美を表現した蕗谷虹児。この人も大正昭和を代表する天才画家のひとりですね。

街路に佇むお洒落なパリジェンヌ。これも蕗谷虹児の絵です。

須藤しげるの描く耽美世界。文章のほうも彼の筆によるもののようですね。この時代は、須藤しげるをはじめ、蕗谷虹児、竹久夢二など、絵師も絵だけでなく文才も兼ね備えていて素敵です。

こちらも須藤しげる画。この人のタッチは後の中原淳一の登場を予言しているような可愛らしさの表現をかいま見ることができます。優れた絵師だと思いますが、あまりまとまった画集を見かけないですね。

巻末の自社広告。モダンなフォントで少女小説のタイトルがズラリと並んでいます。フォントのデザインもいいですが、タイトルがどれも素敵な感じで、その題名を名付ける詩的センスに注目してみました。「貝殻幻想」とか「蝕める花」など、本棚に並べたらさぞや気分いいだろうなぁと思わせる秀逸なタイトルですね。
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この時代、1920年代は欧州のファッション雑誌もこんな感じでアールデコ様式の八頭身美人がよく描かれてましたが、その影響が日本の婦人雑誌にもかなりストレートに現れている感じですね。