

めちゃくちゃかっこいい曲ですね。ブルージーでソウルフルな骨太のグルーヴ感にグッときます。シャロン・ジョーンズ(1956〜2016)はアメリカのソウルシンガー。貫禄のある重厚な歌いっぷりにシビれますが、最初のアルバムをリリースしたのは40歳になってからという、比較的遅咲きのシンガーのようですね。

以前青山にあったレコードショップ、パイドパイパーの閉店セールでなんとなく買ったフレイミン・グルーヴィーズのアルバムにこの曲が収録されていて、このグルーヴイーでエモーショナルな力強いロックの感触にシビれて何度も聴いた思い出があります。パイドパイパーは、当時職場の先輩に連れて行ってもらった店で、音楽通が集まる店だということくらいしか知りませんでしたが、wikiなど見ると、ピチカートファイヴの小西さんなども常連客だったりしたすごい店のようで、無くなる前に足を運べていい思い出になりました。
paul revere & the raiders「Kicks」
「Kicks」のオリジナルは60年代に活躍したロックバンド、ポール・リヴィア&ザ・レイダーズで、こちらもヴィンテージな味わいでなかなかシブイですね。

「ワン・ステップ・ビヨンド」といえば大ヒットしたマッドネスのバージョンが広く知られていますが、ドイツのバンドBoppin'Bによるこのロカビリーなバージョンもすごくカッコイイですね〜 「ワン・ステップ・ビヨンド」のオリジナルは1964年に作られたジャマイカの歌手、プリンス・バスターによるものです。マッドネスの「チキチキ!チキチッチ!チキチッチ!」という舌打ちみたいな間の手は、スカっぽさを感じる独特の味わいがありますが、元祖がすでにやってたんですね〜

ファッツ・ウォーラー(1904〜1943)は米国のジャズピアニスト。軽快で陽気な中にノスタルジックでメランコリーな雰囲気もあり、味わい深い曲ですね。現代のいくつかのバンドがカバーしているので聴き比べるのも楽しいです。
Wildcat Jass Band「Minor Drag」
Guillaume Nouaux feat. Esaïe Cid「The Minor Drag」

かっこいい曲ですね〜 レム・ウィンチェスター (1928〜1961)は、米国のジャズ ビブラフォン奏者。低音を気持ちよく刻むベースに乗って、フルートやビブラフォンといったレトロでサイケ感のある音が夢のように踊っていてとても気持ちいい曲ですね。ジャズはそれほど頻繁には聴かないこともありレム・ウィンチェスターは最近知ったのですが、かなりドラマチックというか特殊な生涯を送った人らしく、悪のりしてロシアンルーレットを試みたせいで32歳の若さで他界したということです。無鉄砲で刹那的な感じがいかにも伝説のジャズミュージシャンっぽい逸話ですが、つまらない行為でせっかくの才能を台無しにしてしまうのはやはりもったいないことです。ロシアンルーレットという、6分の1で死ぬゲーム、これをチャレンジする人は「でも6分の5で死なないゲームでもあるじゃないか」と思いもうとするのでしょう。確率というのは不思議な概念で、たとえ1億分の1でもしょっぱなから当たり≠引く可能性があります。確率は予測する段階で生じる「起こりやすさ」の度合いですが、起こりにくい事象も起きてしまえばそれが全てです。確率は結果を変えることはできませんから、あらためて「君子危うきに近寄らず」を肝に銘じたいものですね。レムが6分の1の不幸を当ててしまったその日は、奇しくも13日の金曜日だったそうです。

オルガンのレトロ感が気持ちいいですね。これもサイケ感のあるムーディーでかっこいいジャズです。ジャック・マクダフ(1926〜2001)は米国のジャズ・オルガン奏者。サックスはジミー・フォレスト、ビブラフォンは上記でも触れたレム・ウィンチェスターです。

エラ・フィッツジェラルド(1917〜1996)のテクニカルな超絶スキャット、聴いてるだけでテンションが上がってきます。スキャットの起源は、ルイ・アームストロングがレコーディング中に歌詞を忘れてしまい適当に歌ったNGテイクがスタッフにウケて、そのまま使用されることになったというユニークな逸話があるようです。そういえば、アニメ「あしたのジョー」の主題歌で、「だけど、ルルル〜ルルル〜」という部分がありますが、あれも歌手の尾藤イサオが歌詞を忘れてしまいルルル〜と歌ったもので、それを聴いていた作詞をした寺山修司がそのNGテイクを気に入ってしまい、「僕の歌詞よりこっちのルルルのほうがいいね!」という流れになったとかいう話がありましたね。こうした逸話は、どこか創作の真理を突いているところがあって好きなエピソードです。ミスをミスとして片付けないで、むしろそこに新たな価値を発見することができる人こそ本物の天才なのでしょうね。

日本でもなじみ深いミッシェル・デルペッシュの往年のヒット曲、邦題は「青春に乾杯」。楽し気で陽気な曲ですが、ためしに翻訳かけてみたら浮気相手といちゃいちゃして舞い上がっている男の気持ちを歌ったテンション高めの節操のない歌詞で、よけいにこの曲が好きになりました。