
アレサンドロ・アレサンドローニ(Alessandro Alessandroni 1925-2017)はイタリアの作曲家、アレンジャー。「Dialogando」は、たしかこのブログでの最初の音楽ネタの記事でけっこう前に一度触れた曲ですが、アレサンドローニに惹かれるきっかけになった大好きな曲なので再掲します。シュールでレトロ感のあるスキャットとミニマル音楽風のモダンなテイストが異次元の世界に誘われるような感じで個人的に大好きな曲です。

アレサンドローニは口笛の名手としても有名だったそうで、同国の映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのマカロニ・ウェスタンものの映画音楽の多くでアレサンドローニは口笛で参加しているようです。口笛の名手というと、ふと初代ルパン三世の音楽担当だった山下毅雄を連想しますね。ヤマタケサウンドもそういえばイタリアの映画音楽に通じるモンド感があって好きな音楽家ですが、やはりこのあたりの欧州の映画音楽の影響とかもありそうですね。ヤマタケさんは「パネルクイズアタック25」のテーマでは口笛を披露してますし、60年代のお色気サスペンスドラマ「プレイガール」のOPなどは、モロに同時代(60年代)のイタリアの映画音楽っぽいモンド感にあふれていて素敵ですね。




好きな曲はたくさんありますが、とくにいくつかアレサンドローニの秀作を選んでみました。音楽もセンスもさることながら、名前もなにげにフックのある感じで、荒俣宏がラブクラフトの名前に関して語った言葉「僕は最初にラヴクラフトという名前を聞いただけでおもしろいと思いました。やっぱり、作家というのは、読む前から魅力がなくちゃだめなんです」というのを思い出します。アレサンドロ・アレサンドローニ、日本で言えば町田町蔵%Iな感じの、繰り返し感のあるユニークな名前ですよね。荒俣先生の言うように、まず名前を聞いただけで興味を惹かれてしまうインパクトがあります。


ノラ・オルランディ(1933〜)はイタリアのシンガー、作曲家、ピアニスト。主に60〜70年代の映画音楽を手がけた美人の女性音楽家です。さほど多作な音楽家でないためか、才能のわりに知る人ぞ知る感じのようですが、楽曲はシビレるくらいにお洒落でキャッチーなレトロサウンドです。イタリアン・ラウンジ・ミュージックのイメージそのものといった感じの程よいモンド感がいい感じですね。曲は2曲とも1969年の映画「二重の顔(A Doppia Faccia)」のサントラ曲。


こちらもノラ・オルランディの曲で、1968年の映画「デボラの甘い肉体(Ii Dolce Corpo Di Deborah)」のテーマサントラより。映画のほうはエロスな感じのカルトな作品のようで、映画のほうも機会があれば見てみたいですね。サントラの方も全体的に質が高く、近年音楽マニアからひそかに注目を集めているようで、レトロで妖しいムード感がただよっている感じが素晴らしいです。ノラ・オルランディとアレサンドロ・アレサンドローニは1954年にコーラスグループ「2+2」、「4+4」など同じグループで活動した時期があり、友人関係にあったようで、ふたりのサントラ曲を収録した『A Doppia Faccia / La Terrificante Notte Del Demonio』というレアなカップリングCDも出てますね。

Irma Cocktail Lounge, Vol. 1 (Irma La Douce Collection) Various artists

これはたしか昔渋谷のHMVで店員さんのポップに釣られて衝動買いした時のイルマのコンピレーションCDで、これに収録されていた曲ではじめてアレサンドロ・アレサンドローニを知りました。

IRMAコレクション。コンピレーションはハズレがあまりなく、好みの所属アーティストも多いので、昔よく聴いてました。音楽の楽しさを教えてくれた先生みたいなレーベルですね。イタリアンラウンジ音楽は好みのジャンルなので、好みの曲やアーティストが多く、そのうちまた続編的な記事も書こうと思います。