2018年06月09日

紙もの展示室

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包装紙、切符、栞、絵葉書など、本以外の雑多な脇役的な紙製品は俗に「紙もの」と呼ばれ、古書店、古書市などでよく見かけます。当時ではただの紙くずとしてしか扱われなかったような商品のパッケージや瓶のラベルなども一定の時を経ると突如として魅力あふれる宝物のように輝きだしてくるのが面白いです。捨てずにちゃんと残して採っておいていた人がいるから今そうしたものを手に出来るわけですが、そう考えると、「これは後世に残すべき!」とまではいかなくても、それなりにボンヤリとした使命感のようなものがコレクター気質の人にはあるような気がしてきます。と、まぁそんなわけで、なんとなく集めていた雑多な紙ものが部屋を整理してたら出てきたので、今回はそうした紙ものコレクションの中から適当にご紹介します。

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「クラブ化粧品」の紙箱。逆読みの文字とアールデコのデザインからして戦前のものっぽいですね。夢野久作や小栗虫太郎といった昭和異端文学の巨星を輩出してきたことで知られる文芸誌『新青年』のデザインを彷彿とするミステリー感のあるデザインにぐっときます。

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メンコです。相手の置いたメンコの脇に自分のメンコを叩き付け風圧で裏返したら勝ちで、裏返したメンコは自分のモノになる、という素朴なルールのゲームだったと思います。幼少期に何度かやった記憶がありますが、すでに廃れた遊びになっていたため、メンコで遊ぶというよりは、カードコレクションのような感じで蒐集して楽しむような感じだったと思います。当時の人気漫画などが絵柄になってますが、本家に許可をとって製造しているものは少なく、微妙に似てないキャラなどが多い印象がありますが、そういう昭和のパチモンくささもまたメンコの魅力でもあったりしますね。

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メンコの裏側。メンコを手にした事のある人であれば一度は疑問に思うことのひとつがこの裏面の謎です。メンコの裏側には謎の数字や、トランプ的な絵柄や、ジャンケンの図など、いわくありげな記号に満ちあふれていることに気づくと思います。相手のメンコをひっくり返す以外の、何か特殊な遊び方がメンコにはあるのか?と、疑問に思ってさっそくネットで調べてみると、あっさり長年の謎が解けました。あの裏面の謎の数字などは、どうやらメンコ業者の過剰サービス精神が生んだもののようで、メンコを風圧で裏返すという遊び以外にも、メンコを多種多様な遊びに使ってほしいという業者の想いが込められていたようですね。メンコ裏面の謎解きの詳細は以下のリンク先の記事を参照してください。

メモ参考サイト
「メンコの不思議な記号」ブログ『メンコ昭和館』様の記事より
他の記事も、たくさんのメンコ画像とともに、メンコから読み解く昭和という時代を考察しておられて興味深かったです。

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飴玉などの包装紙や広告入りの栞など。

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「家族合わせ」のゲーム札。今では馴染みが薄くなってしまったカードゲームの一種ですね。バラバラになっている5つの家族のメンバーを揃えていく遊びです。森田童子の「セルロイドの少女」で歌われているイメージのせいか、どことなくメランコリックで寺山修司的な情緒を感じるカードゲームでしたが、実際に家族合わせカードを手にしてみると、それぞれの名前がユーモラスなダジャレになっている場合が多く、なにやら楽し気な雰囲気ですね。そのうち自作のカードを作ってみたいです。

メモ参考サイト
家族合わせ(ウィキペディア)

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朝野寝坊八(あさのねぼはち)の娘のカード。職業が番頭(商家などの使用人のチーフ)なのに朝寝坊の常習犯っぽい感じの名前というのがイイですね。これだけでギャグ漫画の短編が一本描けそうです。

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「令女 Reijo Silk Cap」。裁縫針っぽいものが刺さっていますが、もともとは髪型をキープするヘアネットをくるむ台紙のようです。高峰秀子風のレトロテイストの婦人画がいい味だしてますね。

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しまかげのアイスクリームの袋。麦わら帽子にお下げ髪の少女がアイスバーを持ってるアイコンぽいイラストが可愛いですね。マルシンハンバーグのみみちゃん系のシンプルな線に惹かれます。昭和のオーラを感じるイラストと色使いが和みますね。残念ながら商品の詳細は解りません。アイスクリームなのに紙袋というのが謎めいていますね。調べてみると、製造会社のしまかげは度重なる火災のために1997年にアイスクリーム製造から撤退、とありました。

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大善の『御花紙』2種。「お鼻紙」のもじりですね。いかにも昭和のご婦人のエチケット用品っぽい乙女なデザインがいいですね。

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『獅子印・ライオン歯磨』の紙箱。諸星大二郎先生の「孔子暗黒伝」に出てくる開明獣テイストな妖しいライオンの版画が神秘なオーラを放っていてイイですね〜 昔のマッチ箱もそうですが、こんな感じの装飾過多な戦前のデザインってロマンがあって素敵ですね。
posted by 八竹彗月 at 12:09| Comment(0) | コレクション

2018年06月04日

科学冒険漫画『電光団』!!

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『科学冒険漫画・電光団 −電氣博士−』表紙 呑田耕作 昭和25年

今回もビリビリ感電しそうな秘蔵の電氣マンガをご紹介します。昭和25年4月1日発行の漫画『電光団』、作者は呑田耕作(呑田耕・作 なのか、名前が耕作なのか不明)です。表紙には呑田耕作とあるのになぜか奥付には著者名は栢木淳一郎となっています。表紙はペンネームで奥付が本名とか、そういうところでしょうか。

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『科学冒険漫画・電光団 −電氣博士−』裏表紙

昭和25年というと終戦から5年後ということで、復興を模索しながらいろいろとアバウトに物事が進んでいるような時代のようなイメージがあります。出版物もカストリ雑誌など、作りはいい加減でも熱気だけがほとばしっているような感じがしますね。この漫画で描かれる電氣万能の世界も、そうした時代を反映した未来の夢なのかもしれません。

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カッコイイ中扉! 想像ですが、おそらく『電光団』というのは、『電氣博士』というシリーズモノの漫画のエピソードのひとつなのかもしれませんね。この本でも物語は尻切れで終わっていて、主人公たちと電光団との戦いに決着はついていません。いかにもつづきがありそうですが、時代が時代だけに実際につづきが出版されたのかどうか不明です。しかし電氣博士というのが、主人公のポッピーの伯父さんのポッポ博士を指すのか、敵の組織、電光団の幹部のチンキラ博士のことを指すのか、これまた説明が無いので不明です。

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目次にも稲光がはしっていますね!

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悪の組織・電光団によって小さくされてしまったポッポ博士を甥のポッピー君が伸張電波器(のばすでんぱき)で元の姿にもどしてあげてるところ。ドラえもんのスモールライト的な感じでしょうか。悪の組織が民間人を小さくしてしまうという目的不明の攻撃が微笑ましいですね。どこかコナン的な発想も連想します。

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各章の見出しのロゴタイプも味があっていいですね。

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「わしになにか用かな?」
悪の組織・電光団の頭脳、チンキラ博士。

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「こしゃくな子僧(こぜう)め」
「僕が相手だ、ポパイのように強いんだぞ」

主人公ポッピー君と電光団との壮絶かつサイケな電氣対決!

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怪し気なプラズマ的な何かを発する装置!

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ノートパソコン的な未来のデバイス。人間が頭で想像できるものはそのうち未来に必ず実現できるという話を以前明石家さんまさんが何かで語ってたのを思い出しました。世界で最初にノートパソコンが登場したのは1975年のIBM製「IBM 5100」だそうですが、その25年前から、それっぽい装置のイメージは人間の脳内に存在していたのですね〜

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奥付。エイプリルフールに発行というのも妙なユーモアを感じます。
タグ:漫画 電気 古本
posted by 八竹彗月 at 03:59| Comment(0) | 古本