2014年07月11日

音楽探検隊

ちょうど聴きたい気分になったいい感じの曲を集めてみました。ムーディーな感じの曲からノリのいい感じの曲まで、とくにテーマは無くノンジャンルで選んでみました。

るんるんMadeline Bell「Beat The Clock」
るんるんMadeline Bell「I'm Gonna Make You Love Me」
心地よく惹き込まれるエモーショナルな曲です。この2曲はアメリカのソウル・シンガー、マデリン・ベルの1967年のデビューアルバム「Bell's A Poppin'」からの曲です。良い曲が多い名盤です。

るんるんPhonorama「La Promenade」
レトロ感のあるスキャットがパラダイスな世界に誘(いざな)います。この曲は以前に紹介したフォノラマの傑作アルバム「レトロロジー(Retrology)」にも収録されています。どこかで聴いたようなメロディが耳に心地いいです。多くの方はJRの「そうだ、京都行こう」のBGMを彷彿すると思います。あのCMの原曲になっているのは、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の中の1曲、「私のお気に入り(My Favorite Things)」のようです。

るんるんClaudine Longet「How Insensitive」
メランコリックなメロディ、可愛らしいウィスパー・ボイス、ムーディーな雰囲気に癒されます。クロディーヌ・ロンジェは60〜70年代に活躍したフランス人の女優、シンガーですが、多くの曲は英語で歌われていてフランス語の歌は多くないようです。この曲はアントニオ・カルロス・ジョビン作曲のブラジル音楽の英語ヴァージョンです。

るんるんJohn Farnham「One」
オーストラリアのシンガー、ジョン・ファーナムの1969年のヒット曲。エモーショナルな盛り上がりが気持ちいい良質のポップスですね。

るんるんClaire Martin「Up From The Skies」
クレア・マーティンは英国のシンガー。2000年のアルバム「パーフェクト・アリバイ(Perfect Alibi)」の収録曲。ムーディーなジャズボーカル、お洒落な感じの曲です。

るんるんThe Grid「The Must Be Heaven」
グリッドは英国のテクノ系ダンスミュージックのユニット。1990年のファーストアルバム「Electric Head」に収録されている曲です。なんとなく80年代あたりのディスコ音楽っぽいメロディにシビれます。

るんるんBalanescu Quartet「Revolution」
アヴァンギャルドな質感を保ちながら聞きやすく耳に馴染んでくる旋律、かっこいい曲です。バラネスク・カルテットはルーマニア人のアレクサンダー・バラネスクを中心に結成された弦楽四重奏ユニット。フォリップ・グラス、マイケル・ナイマンなどの現代音楽からクラフトワーク、YMOなどのポピュラー曲までカバーするユニークな活動で知られていますが、オリジナル曲もかっこいいです。曲は1994年のセカンドアルバム「ルミニッツァ(Luminitza)」より。このアルバムは全篇オリジナル曲で、バラネスク・カルテットのクリエイティビティがよく伝わってくる良いアルバムだと思います。

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タグ:音楽 洋楽
posted by イヒ太郎 at 17:41| Comment(0) | 音楽

2014年07月07日

ペイズリー 躍動するうねり

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カップ&ソーサー

ここのところペイズリー文様に取り憑かれたように惹かれて、生地や小物などいろいろなペイズリーパターンを集めるのが趣味になってましたが、ようやっとマイブームも落ち着いてきたので、この辺りでペイズリーに対する思いの丈を語ってみたいと思います。

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ペイズリーが連なったネックレス。

ペイズリーの魅力は、あの勾玉のような美しいフォルムですが、またそれには同時にゾウリムシのような気持ち悪さもあって、程よい悪趣味さが逆にただ美しいだけのデザインよりも心をつかむところがあります。そういえば、かつて岡本太郎は、"美しい"というのは"きれい"というのとは全く別の概念だ。と著書やインタビューなどで語っていましたね。「きれい」というのが時代の流行によって変化する相対的なものであるのに対し、「美しい」というのはむしろ醜悪さを感じるくらいのパワーをもった激しいものだ、というのが彼の芸術論ですが、それはとても共感するところです。岡本太郎によれば、人間精神の奥深くを刺激する高貴さを「美」と呼ぶ、ということなのですが、たしかに200年近く廃れることなく何度もスタイルを変化させながらいつの時代の人間にも愛されたペイズリーには、そうした「美」の真相を体現するオーラのようなものを感じます。

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ドイツ製の生地。金色の地にシックなオレンジ色の美しいペイズリーが編み込んであってゴージャスな雰囲気の布です。

ペイズリー文様のモチーフになっているのは、もちろん勾玉でもゾウリムシでもなく、植物の図案化されたもので、花や葉が密集した小灌木をモチーフにしたものが源流になっています。

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レノマのスカーフ。なかなか良い感じのお気に入りペイズリーです。

ペイズリーという名称は、あの勾玉のようなフォルムを意味する言葉なのか、または発祥の時代や地域を表す言葉なのかが気になって、手元にある「ペイズリー文様の展開」という本を参照しながら調べてみたら、ちょっと面白い事が分かりました。この模様の起源は17〜18世紀、北インドのカシミール地方に遡りますが、この模様を「ペイズリー」と呼ぶようになったのは、18世紀後半にヨーロッパにもたらされ英国スコットランド地方の工業都市グラスゴーの隣町ペイズリー市でインドのカシミアショールを真似た機械織りのショールを大量生産してきたことに由来するようです。実際にグーグルマップで見ると、現在も英国にたしかにペイズリー市というのがありますね。ペイズリーという名前は、形に由来するわけでも発祥地に由来するわけでもないというのは面白い発見でした。

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「ペイズリー文様の展開(カシミアショールを中心に)」渋谷区立松濤美術館:刊 1993年
日本で最初のペイズリー模様をテーマにした企画展の図録です。ちょっとしたペイズリー図鑑のように作られていて、見て楽しい図録になっています。けっこうたくさんの種類の図版が納められていますから、かなり充実した展覧会だったんでしょうね。生で黎明期のペイズリー模様の織り物を見てみたいものです。

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同上 18世紀前半に描かれたデザイン画。ペイズリーだけで造られた礼拝堂みたいな風情がシュールですね。明治時代にベルリンに留学した旧津和野藩主亀井茲明侯のコレクションのようです。

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「RATTI AND PAISLEY」 FASHION INSTITUTE OF TECHNOLOGY NEW YORK 1986~1987
ファッションにおけるペイズリーデザインというとイタリアのエトロ社やラッティ社などが双璧ですね。この図録は、そのラッティ社の創設者、アントニオ・ラッティとそのチームによるペイズリーデザインの探求の足跡をたどった展示会のもの。ニューヨークを皮切りに東京その他世界の主要国を巡回して開催されたようです。イタリアのペイズリーデザインは緻密でスタイリッシュそして独創的で好きです。

かわいいペイズリー・コレクション
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プリンスの名を不動のものにしたアルバム「パープルレイン」(1984年)に続き1985年に発表されたサイケデリック感溢れるユニークなアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ(Around the World in a Day)」で、単なるポップスターではなく天才の地位も不動のものとしました。「一日間世界一周」という人を食ったこのアルバムに収録された曲の中に「ペイズリーパーク(Paisley Park)」というタイトルだけで不思議なトリップ感を覚えるユニークな曲があります。歌詞もシュールで、奇抜な出で立ちをした人々が束縛もなにもない自由な公園、"ペイズリー公園"に集まって、平和と愛に満ちた微笑みを浮かべている、といった感じの70年代のヒッピーカルチャーを思わせるユニークな世界を描いています。この曲に出会ったことも、ペイズリーへの関心の萌芽になったような気がします。そういえばジョジョの奇妙な冒険 第8部『ジョジョリオン』の登場人物、広瀬康穂のスタンドが「ペイズリーパーク」という名前のようですが、ネーミングの元ネタはおそらくプリンスの曲名からでしょうね。

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イタリア製のシルクスカーフ。サイケな色使いの繊細な模様が素晴らしい。

ペイズリーという200年の伝統を持つ古典的デザインは60年代のアメリカを中心にしたヒッピーカルチャーではサイケデリックなシンボルとしても再生され、伝統文様というだけでなく、ポップなデザインにまで広まった気がします。文様の歴史からいえば、二千年以上の歴史のある唐草模様やロゼッタ文様などがありますから、それと比べればペイズリーの200年に満たない歴史は、まだまだ可能性を持った若い文様といえるのかもしれませんね。
posted by イヒ太郎 at 15:45| Comment(0) | コレクション

2014年06月20日

少女古写真

昭和初期は激動の時代であったと共に、さまざまなテクノロジーや文化の革新があった時代でもあります。西洋化の波の中、古い伝統も息づいていて、着物と洋服が入り交じった人々の行き交う様は、まさしく日本のターニングポイントを目に見える形で象徴しているように思えます。まだ敗戦経験の無い時代ですから、この時代の日本人からは、どことなく自信と希望に満ちた雰囲気も感じます。そうした古き良き時代に印画紙に残された少女写真のコレクションをいくつかピックアップしてみました。

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キリッとした良い表情してますね。大正浪漫な雰囲気が素敵です。

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重厚な感じの帯とおすまし顔が微笑ましいですね。

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美人三姉妹。

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西洋風の背景と着物幼女のコントラストがいいですね。金箔押しの写真館謹製台紙も味があります。

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着物にリボンが可愛い。隣の弟の海兵ファッションも時代の空気を感じます。

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七五三、三歳の記念写真ですね。千歳飴の横に置かれた文化人形、戦前の少女文化を偲ばせます。

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多分、家の敷地内で撮られたものでしょうね。服装もなにげにお洒落です。

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お人形をおんぶしてる可愛らしい少女。家族アルバムからの一枚です。古書店や古書市などで、たまに家族アルバムがまるごと売られている事があります。どういういきさつで市場に流れてきたのかも想像が膨らみます。
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2014年06月05日

ブラジル音楽への誘い

もうそろそろサッカーワールドカップがブラジルのサンパウロで開催ですね。2016年リオデジャネイロでのオリンピックも決定し、次世代のリーダーとも噂される発展目覚ましいブラジルですが、ブラジルといえばやはりサッカー強国のイメージが一般的にありますね。鉱物マニアならドーム状の大きなアメシストを思い浮かべる方も多いでしょう。個人的にはボサノヴァの国!というイメージです。一度本場のブラジル音楽をライブで聴きたいです。ノリノリのサンバ、くつろぎのボサノヴァ、ブラジル音楽はとても魅力的で、よく聴くジャンルのひとつです。音楽テーマの記事も、毎回ノンジャンルなごった煮なのもアレなので、今回はブラジル音楽の60〜70年代の黄金期の曲をメインに、スタンダードな曲から掘り出し物的な曲まで良い感じの曲を厳選しました。

Maria Alcina「Kid Cavaquinh」
ブラジルのシンガー、マリア・アリチーナの1972年のヒット曲。ウクレレの軽快なリズムが心地よいアフリカンなノリの陽気なサンバです。

Rita Lee「Esse Tal De Roque Enrow」
ブラジルのロックシンガー、リタ・リーの1975年のヒット曲。グルーヴ感のあるサックスがいい味出してますね〜 70年代特有のノリノリのモンドな感じが素敵です。

Tom Jobim & Miúcha「Vai Levando (com Chico Buarque)」
トム・ジョビン(アントニオ・カルロス・ジョビン)とミウーシャの1977年のデュエット曲。ゆったりした気分に浸れるボサノヴァ調の曲です。トム・ジョビン(1927-1994)はジョアン・ジルベルト、ヴィニシウス・ヂ・モライスなどと共にボサノヴァの創成にかかわったブラジル音楽界のカリスマ的な存在。

Chico Buarque de Holanda「Meu Caro Amigo」
1976年の曲。軽快なアコースティックな音作りの中にアヴァンギャルドでユーモラスで、それでいて心地いいキャッチーさもある面白い曲です。歌詞の内容は「私の友よ!(Meu Caro Amigo)」と呼びかけながら、冗談混じりに親しい友人と世間話しているような感じです。シコ・ブルアキはブラジルの詩人、歌手、音楽家、作曲家、劇作家、小説家。

Alcione「Não deixe o samba morrer」
サンバの女王、アルシオーネの情熱的で哀愁のカタルシスあふれる浸れる1975年の初期の代表的名曲。日本でもたくさんのアーティストにカバーされている名曲で、邦題は「愛のサンバは永遠に」です。ノリノリで陽気なだけでなく、こうした切ないサンバもなかなか良いですね〜

Roberto Carlos「Ilegal, Imoral Ou Engorda」
ロベルト・カルロスによる1976年の曲。有名なサッカー選手にも同じ名前の人がいますが、こちらは別人です。60年代から活躍していて今も現役でアルバムを精力的に発表していますから、ブラジルではかなり有名なミュージシャンなのでしょうね。この曲は、ファンキーなソウルミュージックっぽい感じで、あまりブラジルっぽくないですが、いわゆるMPBというやつですね。ブラジルの大衆音楽をMPBと言うようですが、主にブラジルのロックやポップスを指す事が多いようです。

norma suely「se todos fossem iguais a voce」
ノーマ・シュエリー(1930-2005)はブラジルの映画女優、歌手。幻想的なハモンドオルガンの音色、夢の世界に誘うヴォーカル、レトロ幻想あふれる逸品です。

Caetano Veloso「cajuina」
Caetano Veloso「qualquer coisa」
Caetano Veloso「julia-moreno」
アンニュイなムードがいいですね〜 カエターノ・ヴェローゾはブラジルの著名な作曲家、歌手。60年代から現在まで現役で君臨する重鎮。「cajuina」は1979年のアルバム「Cinema Transcendental」から、「qualquer coisa」は1975年の名盤「クァルケル・コイザ(Qualquer Coisa)」から、「julia-moreno」は1973年のアルバム「アラサー・アズール(Araçá Azul)」からの曲です。ガル・コスタとのデュエット・アルバム「ドミンゴ(Domingo)」も大好きな名盤です。「ドミンゴ」からの曲、「coracao vagabundo」は、以前の記事でも取り上げましたが、このメランコリックな雰囲気もたまらないですね〜

Astrud Gilberto「The Girl From Ipanema」
Astrud Gilberto「Agua de beber」
アストラッド・ジルベルトはボサノヴァ歌手で一番好きです。ムーディーで幻想的で、フランス・ギャルのようなロリータな歌い回しが最高です。このビデオのロリロリな60年代ファッションも可愛いですね。

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2014年06月01日

焼物・日々の憩

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陶芸の世界はなんだか敷居が高い深遠なイメージがあって、特に食器にこだわりはあまりありませんでしたが、先日とても惹かれる器に出会ってからというもの、徐々に味わいのある陶磁器に興味がわいてきました。まだ陶芸の世界には全然詳しくありませんが、気負わず、自分の身の丈に合った好みの器で日々の生活を彩りたいと思います。昨今は100円ショップでも、なかなか面白い器が売ってたりして、つい手に取ってしまいますね。時間と懐に余裕があれば、焼物の産地巡りとか楽しそうです。

リサイクルショップや骨董店のお買い得ワゴンなどでも、たまにグッとくる面白い器に出会います。安物ばかりのコレクションですが、普段使いの食器に自分の好みが反映されていく楽しさがあります。焼物は日本文化を色濃く反映していて、釉薬や文様などのデザインなどから新鮮な発見もあり、自分がいかに、日本を知らない日本人なのかを痛感します。陶芸を覚えて自分で好みの器を作れたら楽しいでしょうね〜

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今のところ一番気に入ってる器です。手頃な値段で手に入れたものなので、世間的な価値はそんなにないのかもしれませんが、自分にとっては宝物です。骨董店の人によると唐津焼だそうです。書いてある流麗な崩し字は竹久夢二の有名な「宵待草」の詩歌。全体の淡いくすんだ緑、日本の伝統色でいうと柳鼠(やなぎねず)の色味に、絶妙に馴染んだ色味で書かれた文字が絶妙なハーモニーを醸し出しています。なかなかに風流な茶碗です。

宵待草
竹久夢二

待てど暮らせど 来ぬ人を
宵待草の やるせなさ
今宵は月も 出ぬそうな

暮れて河原に 星一つ
宵待草の 花が散る
更けては風も 泣くそうな


「宵待草」高峰三枝子:唄
竹久夢二:作詞 西条八十:補詩 多忠亮:作曲 昭和13年

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詳細はわかりません。微妙な歪みや偶然と計算の狭間で形作られた釉薬の妙が和みを誘います。

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九谷焼の徳利と猪口。草書や行書など、流麗で達筆な崩し字はそれだけで絵画に匹敵する美がありますね。文字と文字の間隔や配置のバランスが心地よいリズム感を出していて、目で聴く音楽という風情も感じます。

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柚子肌というものでしょうか?表面のブツブツした肌合いが見た目もユニークで、持った時の触感も気持ちいいです。

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美しい文字と金彩白菊がゴージャズな湯呑み。

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素朴なタッチで描かれた藤の花が和みます。この記事も、この湯呑みでお茶を飲みながら書いてるところです。

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柚子肌を生かして描かれた菊花が侘び寂びな感じです。

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干支がグルリと囲んだどこかミステリアスな雰囲気が気に入ってます。
posted by イヒ太郎 at 00:51| Comment(2) | コレクション