2018年04月09日

トモ子ちゃん写真セット

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少女スターのレジェンド、松島トモ子ちゃんの可愛い写真をご紹介します。単体で手に入れたので詳細は不明ですが、表紙に「なかよし12月号ふろく」と書かれており、中身のプロマイドも5〜8歳くらいまでの写真のようなので、トモ子ちゃんが8歳のころのものとして生年月日から計算すると昭和28年(1953年)の「なかよし」12月号のふろくである可能性が高いですね。

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それにしても可愛いですね〜 昭和30年代前後の少女雑誌には必ずどこかに出ているような印象があり、当時の洋裁雑誌にも子供服のモデルでしばしば登場しています。ひっぱりだこの超人気子役タレントだったことがうかがわれますね。

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そういえば、こういう感じのポーズをとったタレントの写真をプロマイドと呼んだり、あるいはブロマイドと呼んだりしますね。いったいプ(PU)なのかブ(BU)なのか、どちらが正しいのか調べてみると、意外や意外、どちらも正しいようです。正確には、「プロマイド (Puromaido)」はタレントなどのコレクション用写真、「ブロマイド (Buromaido)」はブロマイド(臭化銀)を感光剤として用いた印画紙(ブロマイド・ペーパー)を指す和製英語で、どちらかというと「プロマイド (Puromaido)」と呼ぶ方が正しいっぽいですが、現在ではどちらも普通に使われているためにどちらで呼んでも間違いではないようです。

メモ参考サイト
松島トモ子(ウィキペディア)

プロマイド(ウィキペディア)
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2018年03月18日

【音楽】香港ブルース

最近聴いてる曲などを中心に気持ち良さげな曲を選んでみました。

るんるんCherry Twister「Sparkle」
るんるんCherry Twister「She's Gone」
チェリー・ツイスターは1993年にデビューした米国のバンド。60年代ポップ風というか、80年代のネオアコ風というか、ジャンル的にはパワー・ポップというらしいですが、懐かしい感じの軽快なサウンドが気持ちいいですね。

るんるんNgatari「Hong Kong Blues」
「香港ブルース」は、ジャズのスタンダードナンバー「スターダスト」の作曲で知られる米国のミュージシャン、ホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)の作品で、本人の演奏のほかにもマーティン・デニージョージ・ハリスンなど多くのミュージシャンにカバーされる名曲のひとつです。この曲を知ったのは細野晴臣のアルバム「泰安洋行」でのカバーで、細野さんの香港ブルースも絶品なのですが、とくに気鋭のユニット、ガタリによる香港ブルースのお洒落なアレンジにググッときました。ガタリはボーカルのジェシカとピアニスト、コンポーザーの須山真怜によるユニット。2000年にメジャーデビューした癒し系な感じのオルタナティブなサウンドが持ち味のユニットみたいですね。

るんるんMonkey Majik&吉田兄弟「Change」
モンキー・マジックは、カナダ人兄弟のツイン・ボーカル&ツイン・ギターと、ドラムとベースの日本人ふたりによるロックバンド。この曲は吉田兄弟とのコラボで、洋楽ロックテイストな楽曲とグルーヴィーな三味線が絶妙にマッチしていてかっこいいですね。

るんるんBeto Villares「Rio Da Bossa Nova」
ムーディーな南国テイストのヒーリングな感じのサウンドが心地いいです。ベト・ヴィラレスは音楽プロデューサーなど多方面で活躍しているブラジルのミュージシャン。

るんるんMarylin Monroe「The River Of No Return」
マリリン・モンローの歌う同名映画の主題歌「帰らざる河」です。学生時代にテレビ放映されたものを見た気がするのですがストーリーはスッカリ忘れてしまいました。まぁ、それはそれとして、曲ですが、切なく美しいメロディと人生の流動的な起伏を川の流れに例えた叙情的な歌詞、そして伝説の女優モンローのハスキーで色気のある歌唱が印象深い名曲ですね。たまにすごく聴きたくなります。川というのは、しばしばこの歌のように人生の時間の流れに例えられますね。他にも川をテーマにした名曲というと「Cry Me A River」とか「Moon River」などが思い起こされます。日本でいうと美空ひばりの「川の流れのように」もそんな感じの曲ですね。
「ありんこの詩 blog」様による和訳

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「学習画報」世界文化社発行 昭和37年1月号
タグ:音楽 洋楽
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2018年03月10日

電氣ノ世界(3)珍奇図像

今回は、電氣関連の古書コレクションの中から、昭和7年発行の『最新科學画輯』(朝日新聞社発行)をご紹介します。全編モノクロですが、全ての見開きが右に文章、左に図版というビジュアルチックな構成になっていて、ページをめくるたびに電氣のビリビリ感を感じるような、わくわく電氣ランドといった感じの楽しい本です。けっこう珍奇な図像が多くてイイ感じです。

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『最新科學画輯』朝日新聞社発行 昭和7年(1932年)

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(同上『最新科學画輯』より)

トビラのデザイン。活字でなく、レタリングされた旧字が味があります。

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米国のロバート・J・ヴァングラーフ博士が原始構造破壊用の150万ボルト超電圧を実験している所で、この装置は200万ボルトまでは出せる。(同上『最新科學画輯』より)

頭上のふたつの球体の間を電氣がビリビリいいながら放電していますね。そういえば、よくデパートの科学系の玩具を売ってるコーナーとかに、放電の面白さを鑑賞するサンダーボールとかプラズマボールと呼ばれている玩具がありますが、身近に放電を鑑賞できるとはなんと素晴らしいんだろう、なんて最近思うようになってきてるので、そのうちゲットしたいです。

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13万2000ボルトの変圧器を巻いているところ。(同上『最新科學画輯』より)


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(上)世界大戦の時、米国政府が窒素工業用として創設したウイルソン・ダムの大発電所。(下)大変圧器。米国ジー・イー会社製作のもので、スイッチを入れてから2秒後には150万馬力の変圧をするもので、有名なナイヤガラ発電所のものの2倍ある。(同上『最新科學画輯』より)


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腕木を数多持った電柱の例。(同上『最新科學画輯』より)

ムカデ電柱とでも名付けたくなるキテレツな電柱ですね〜 現在の電柱と比較して見てしまうので、どこかの異世界に迷いこんだようなシュール感を感じますが、当時の人は電柱といったらこういう電柱だったのでしょうから、当時の人には普通に近代化されたモダンな光景に写っていたのかもしれないですね。昨今は電柱や電線のある風景は美観を損ねるということで、電線を地下に通すような開発が進んでいますが、無くなったら無くなったで、「昔あの頃いつもあった電柱が懐かしい…」ということになるような気もします。個人的にはむしろ電線好きですし、現代のアニメには意識的に電線がバンバン出てくる背景を使ったりする作品もよくあるので、意外に「電線は美観を損ねる」というのは、それほど強固な常識ではなく、電線に親しみを感じる層もけっこういそうな気がします。

こんな電氣関係の記事を書きながら電氣について考えを巡らせていると、似たようなモノが引き寄せられてくるようで、書いてるうちに上記の図版のようなムカデ電柱の図版がいくつか出てきましたので、それも紹介します。

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「図説 発明狂の時代」レオナルド・デ・フリーズ著 本田成親訳 JICC出版局 1992年 より
1890年に描かれた米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのムカデ電柱を描写した絵。電線てんこ盛りな感じで凄い光景ですね。

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1940年代の米国カリフォルニア州ロサンゼルスの某所の光景。写真だとさらにインパクトがありますね〜 「Water and Power Associates」という水力発電に関する情報をまとめているアメリカのサイトの、昔の電気工事の様子を写した写真を掲載しているページより。「Water and Power Associates」は、ほかにも電力関係のビリビリくるようなヴィンテージ写真が満載の面白いサイトでしたので、興味のある方はご覧になってください。

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(左)扇風機の冷却装置をした高圧器。(右)花畑発電所の154K・V・アレスター。(同上『最新科學画輯』より)

(左)要塞のような厳つい風貌の変圧器がかっこいいですね〜 (右)こちらは現代アートのインスタレーションみたいなユニークな造形美を感じますね。

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大きな方のランプは、5万ワットで15万燭光を出し寿命100時間を有っているが、小さな方は50万燭光を有する写真用フラッシュ・ランプで50分の1秒間に燃えてしまう。(同上『最新科學画輯』より)

ものすごい大きさの電球を持った女性の絵面がインパクトありますね。よく見るともう片方の手には小さな電球も持っていますね。もはや時代はLEDの時代に移り変わった感がありますが、やはり真空ガラスの中でフィラメントが発光するロマンチックさが失われていくことに一抹の寂しさを感じます。そういう気持ちは人類に共通した感情のようで、さっそくフィラメントの電球ソックリのLED電球も開発されていろいろ売られてますね。それまで空気のように気にしてなかったのに、失われると急に求めだすのは人間のサガのようで、私も今頃になって白熱電球のいい感じの灯りを楽しみたいなぁと思うようになってきました。メインの照明はLEDにまかせて、点灯頻度の低い場所には味のあるエジソン電球の贅沢な灯りを味わいたいですね。

メモ参考サイト
エジソン電球(Google画像検索)
フィラメントの形ってけっこうバリエーションがあって、そのままアート作品のようですね。電球は、まさに人間が生み出した人工太陽のような存在で、夜に光をもたらした電球の発明は、よく考えるとものすごい偉業であることに気づかされますね。確認のために、本当にエジソンが電球を最初に発明した人物なのか検索してみたら、予感は当たっていたみたいで、電球を発明したのは実はエジソンではなく、英国のジョセフ・スワンという人のようでした。さらに、その電球を光らせるための電力システムはエジソンの弟子だったニコラ・テスラの功績で、エジソンはうまく彼らの才能に便乗したみたいですね。エジソンとニコラ・テスラとの確執など、このあたりの事情には興味の尽きないエピソードが多く、映画や小説などでもしばしば扱われたりしてますね。

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ネオンチューブで作った脳髄の構造。これを作るに約一千個のチューブを要したもの。(同上『最新科學画輯』より)

レトロSF的というか、スチームパンク的というか、味のある珍妙な写真ですね。ネオン管で脳みそを作るという発想が骨董科学とでもいうような味わいがあります。真空管テレビへの郷愁みたいなものと似たノスタルジーを感じますね。

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トーキーの映写装置。人物はメトロ・ゴールドウィ・メーヤー女優ドロシー・ジョルダン。(同上『最新科學画輯』より)

メカニックな物体と美女の取り合わせは、現代版「美女と野獣」という感じのシュールな美があります。異質な組み合わせの妙からきている面白さなわけですが、現代では女性もコンピューターや先端テクノロジーを駆使していても違和感のない時代ですから、やはり昔の画像のほうが不思議テイストを強く感じますね。現代の二次元イラストでも「メカ少女」というのはもはやひとつのジャンルになっていますが、意外に普遍的な面白さのツボがひそんでいるテーマなのかもしれないですね。

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(上)電氣溶接装置によって、変圧器を溶接しているところ。花火は人の持っている人の持っている極と写真の右下から電源に繋がれている高圧器そのものの間に飛ぶ。(下)回転変流機。富士電氣製造株式会社製の2250キロワット、直流側300ボルト・8500アンペア、交流側6相、回転数300、周波数60。(同上『最新科學画輯』より)


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交差点の四角にある市内電車の信号灯。(同上『最新科學画輯』より)

「信号」の垂れ幕や丸いライトに「進」の字とか、なんかシュールで面白いです。寺山修司の映画『百年の孤独』に、記憶を無くしていく病気にかかった主人公が、柱に「柱」、水瓶に「水瓶」と家中に紙を貼り、はては自分に「俺」という貼紙をしていくシーンがありましたが、あれも記憶の喪失という意味的なものよりも、寺山的には、現実の物体を言葉という現実のイミテーションと並列にすることでシュールな哲学的な絵面を見せたかったように思います。そういえば以前の記事にも書きましたが、実験的なショートフィルム『Rabbit』も、庭のチューリップに「tulip」、窓に「window」、電気スタンドに「lamp」という具合に、学習絵本のようにいちいちモノに名称の文字が付随しているシュールな絵面がユニークで、とても感銘を受けた作品でした。

TVRun Wrake「Rabbit」
海外の古い学習絵本から抜け出てきたようなノスタルジックでシュールな絵面の魅力もさることながら、錬金術を思わせるオカルティックで寓意的なストーリーがまた奇妙で独創的です。作者のラン・レイクさんは、ロンドンを拠点に活躍していたアニメーターで、ミュージシャンのPV映像などで評価の高い気鋭のクリエーターでしたが、久しぶりにプロフィール確認のために検索してみたら、なんと2012年に46歳の若さで惜しくも急逝されてしまったみたいですね。遅まきながらご冥福をお祈りします。

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原町対米送信所。(同上『最新科學画輯』より)

送電塔がバベルの塔チックなミステリアス感があってたまりませんね〜

電気は、その名前に「気」が付いていますが、「気」のつく言葉って、思いつくだけでも、空気、熱気、元気、邪気、本気、勇気、火気、蒸気、正気、狂気、病気、根気、などなど、物理的なモノから精神的なモノまで幅広く使われていますね。共通するのは、何か根源的なエネルギーを「気」と呼んでいることですね。気が病≠でいれば「病気」であり、木のように地に根≠フ張ったような辛抱強さを「根気」とよんだり、感覚的に納得しやすい使われ方をしていて面白いですね。言葉の中には、生命力をもっているようなパワーを感じる言霊的なものも含まれていますが、この「気」も、なかなか奥が深そうです。

旧字の「氣」が「気」になったのは、表向きは単なる簡略化であることになっていますが、言霊的に考えると、日本人の生命力の源である米のエネルギーを取り去って、×印で塞き止めてしまうことになるので、文字のエネルギーを弱体化させているという意見もあるようです。いわれてみれば、たしかに呪術的な意味では旧字のほうがパワーがありそうですね。まぁ、ここではそこまで考えていませんが、なんとなく雰囲気的に「氣」の文字が好きなので、この電氣テーマの記事では氣のほうを使っています。「氣」といえば、中国の氣の概念がすごく面白いので最近気になっているところです。気功の話とか、チャクラと経絡のツボの考察とか、太湖石にみる氣の思想とか、中国の氣の文化を考察した記事もそのうち書いてみたいです。
タグ:電気 古本
posted by 八竹釣月 at 12:45| Comment(0) | 古本

2018年03月04日

電氣ノ世界(2)絵本

電氣は現代文明に欠かせない多くの機械の元になるエネルギーですから、事実上電氣というのは文明を動かすエネルギーといっても差し支えないような気がします。人体もまた脳や筋肉などは電氣を発生して身体を制御していますから、これをアナロジカルに地球にあてはめると、人間の機械文明(鉄道網や航空網、さらにインターネットや電信電話等のコミュニケーションネットワークなど)の拡大は、そのまま地球の身体≠走る神経ネットワークのように思えてしかたありません。

地球の生み出す電氣というと、大空のうっぷんが爆発したかのような雷のような恐ろし気な現象もありますが、天空を覆う虹色のカーテン、オーロラの原理も電氣的なものであります。オーロラの原理は、太陽風や地球の磁力線などの作用によるものという一応の解釈がありますが、未だに詳細はよくわかっていない現象でもあるようです。神秘的な見た目のとおり、その正体も謎めいているところもまたオーロラの魅力ですね。オーロラの幻想的な姿は、まるで神々の住まう天界の様子がつかの間この世に現出したかのような感じで、人生で一度は実際に見てみたいものです。

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オーストラリアの探検家であるダグラス・モーソン(Douglas Mawson)が1900年代初頭に南極大陸で観察したオーロラの図。

メモ参考サイト
オーロラ(ウィキペディア)

オーロラの動画(Youtubeより)
2014年2月27日に、スコットランド北部で発生したオーロラを撮影した動画。

前置きはこのくらいにして、今回は、そうした様々な魅力と実用性を兼ね備えた電氣の啓蒙を目的とした学習絵本をご紹介します。まずは、『デンキノチカラ』ですが、これは昭和16年に講談社から発行された絵本で、絵を担当しているのは私のもっとも心酔している絵師のひとりでもある金子茂二先生です。戦前戦後にかけて児童雑誌の挿絵などをメインに筆をふるっていた画家で、あの極彩色パラダイスな夢の絵本『幼女の友』のメインの絵師として活躍していたことでも知られています。この絵本ではちょうど戦争の真っ最中に発行されているせいか、持ち味の楽園感覚はおさえられて表現してますね。しかし金子先生の気持ちのいい線の魅力は十分堪能できると思います。

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『講談社の繪本 デンキノチカラ』絵・金子茂二 文・柚木卯馬 大日本雄弁会講談社発行 昭和16年(1941年)

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同上。アールデコなデザインのラジオと、デルビル磁石式壁掛電話機がイイですね〜 恐いものの代名詞として江戸時代あたりから「地震、雷、火事、親父」という言葉がありましたが、この絵のヒゲのお父さんを見ても、この時代もまだまだお父さんは恐い存在だったであろう頼もしい存在感がありますね。

メモ参考サイト
デルビル磁石式壁掛電話機(郵政博物館様)

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同上。この時代の電気機関車(国鉄EF55形電気機関車)の漆黒のレトロなフォルムがかっこいいですね〜

メモ参考サイト
国鉄EF55形電気機関車(ウィキペディア)

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同上。家庭の身近な電気器具を並べた見開き。どれもお洒落なデザインですね。機能的には現代の製品のほうが何倍も便利で高機能ですが、昔のアイテムには、豊かな暮らしへの憧れ、みたいな人間の夢が詰め込まれているようなところがあって惹かれます。どれも大事に使われてそうな感じで、機械たちも嬉しそう。

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同上。紡績工場で働く工女さんたち。生き生きとした群像の表現力も金子先生の持ち味ですね。

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同上。歯医者さんで治療をうける子供の図。レトロな治療マシーンのメカニックな感じが江戸川乱歩的なシュールさがあってぐっときますね。

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同上。模型の電車で遊ぶ兄妹。

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同上。「ヤサシイ デンキノ オコシカタ」と題する見開き。身近なもので簡単に電氣を発生させることもできます、ということを説明しています。静電気はホコリ取りとか手品のタネなどの地味な利用のされ方をしている印象がありますが、何か画期的なアイデアで化けそうなエネルギーのような気もしますね。


次は『電気のはたらき』という絵本です。こちらも講談社発行の絵本で、先の『デンキノチカラ』から12年後、昭和28年の発行で、戦後復興を果たして活気を取り戻している感じの時代ですね。この年には日本初のテレビ放映が開始された年です。絵本からも明るい希望が伝わってくる感じですね。基本的にこの絵本は先の『デンキノチカラ』をリニューアルした感じの構成になっています。戦争に関するところだけ差し替えられて別のテーマになってますが、多くのページで金子先生の構図などをほぼ踏襲して描かれていました。

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『電気のはたらき』絵・谷口健雄 文・満田清剛 大日本雄弁会講談社発行 昭和28年(1953年)

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同上。よく見ると、右上の家族団らんとか、右下の歯医者の絵など、先に紹介したページとの類似が解ると思います。微妙に家庭の電化製品のアイテムが時代を反映して新しくなってるのも見所ですね。

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同上。当時の街の様子が垣間みれますね。路面電車が昭和感があっていいですね〜

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同上。夜の繁華街。現代のイメージからすると、この絵の夜の街は暗い印象がありますね。しかし、逆に、夜は暗いものという当たり前の事すら忘れて暮らせている東京などの現代の都市生活というもののほうが、ちょっと行き過ぎているのかもしれません。この絵から感じるような「夜のワクワク感」みたいな感覚も時代と共に薄れてきてる感じもします。たしかに夜の灯りは、防犯に非常に役立ってますし、人々に安心感を与えますが、それとは別のところで、「夜の健全な暗さ」を忘れてしまう生物としての怖さ、みたいなものもありますね。まぁ、すべてがプラスだけの社会というのはあり得ない話ですから、何かを得れば何かを失うのは何ごとにおいても覚悟すべきなのでしょうね。
posted by 八竹釣月 at 05:32| Comment(0) | 古本

2018年02月27日

電氣ノ世界(1)随想

「電気」に対する関心はけっこう以前からありましたが、それは科学としてではなく、神秘のエネルギーといった不思議な畏敬の混じったものでした。おそらく、子供の頃、コンセントをイタズラして感電した経験(ちょっとビリビリしただけの軽度のもの)も影響してるような気もしますが、「電気」という言葉自体が持つシュールで、どことなく鋭さと、危険さ、あるいは、浅草名物「電気ブラン」に見るように、「モダン」の意味が込められた昭和な響きでもあり、明和電気、電気グルーヴなど、テクノ系カルチャーを象徴する言葉でもありますね。まぁ、言葉にしずらい感覚なのですが、とにかく電氣な感じ≠ノ惹かれます。電気という言葉も、電気の気を旧字の「氣」にすると、さらにロマンあふれる感じになってグッときます。

電気(でんき、英: electricity)とは、電荷の移動や相互作用によって発生するさまざまな物理現象の総称である。

「電気」ウィキペディアより


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高圧放電による空気中やガイスラー管の発光現象(1898年)
「図説 発明狂の時代」レオナルド・デ・フリーズ著 本田成親訳 JICC出版局 1992年 より

電氣感≠フある音楽というと、YMOの「磁性紀」は、なんというか、電氣楽園といった感じの雰囲気があって好きです。なんとなくヤバげな陽気さというか、危ない遊園地みたいな、妙に歪んだパラダイス感が凄い曲ですね。YMOといえば、まだシンセサイザーの黎明期だった頃に、どでかい箪笥を積み上げたような機械の箱にプラグを抜き差ししながら演奏している姿にはものすごいインパクトがありました。戸川純、上野耕路、太田螢一の3人組ユニット「ゲルニカ」も、産業革命による戦後復興を成し遂げる架空の戦後日本をテーマにしているような感じのレトロかつ電氣な感じの曲を多く発表していて面白かったですね。電磁石への想いをテーマに歌うという異色の「磁力ビギン」など、未来派音楽っぽいノリが素晴らしいです。そのものズバリ「電力組曲」というのもありましたね。ゲルニカはフルオーケストラでの重厚な演奏をメインにして別世界の郷愁感を表現しましたが、あえてシンセなどの電氣楽器を使わずとも電氣っぽい雰囲気は十分表現できるものなのだなぁ、と感心しました。

るんるんYMO「磁性紀」
フジカセットのCMの映像がものすごく良くて、あのCMを収録しているDVD「Visual YMO the Best」もゲットしました。ほんとにYMOというのは日本の80年代カルチャーを象徴するカリスマですね。テクノブームの主導的牽引だけでなく、音楽のみならず、ファッションやグラフィックデザインなど、当時の文化のあらゆるところにその影響が垣間見えます。

るんるんゲルニカ「磁力ビギン」
YMOメンバーだった細野晴臣が主催するレーベル『YEN』からデビューしたレトロで未来派でドイツで産業革命な感じのカルトなユニット「ゲルニカ」。80年代のカルトスター、戸川純のかかわったプロジェクトの中で、個人的にゲルニカが一番好きです。太田螢一の歪んだレトロ趣味と、上野耕路の類い稀な音楽センスが見事に結晶化した夢のユニットですね。

るんるんStereolab「Spark Plug」
ついでに「スパークプラグ(点火プラグ)」という、電氣な感じのタイトルのステレオラブの逸品。名盤「Emperor Tomato Ketchup(トマトケチャップ皇帝)」からの曲で、すごくいい感じです。

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CDのコレクションを漁ってたら電氣な感じのジャケットが出てきたのでついでにこちらも紹介します。ヴィンテージなピンナップガールの左脇にピンクの帯になにやら妖しい図版が。上のほうにHot Airとか小さく書いてあるので、温風器か、あるいは冷却装置かなにかの構造図なのでしょうか。連なるドーナツ型のコイルにたくさんの矢印が絡み付いているイメージが奇妙で、脇のレトロガールと絶妙なコンビネーションを見せていて、グラフィックデザインとしてもただならぬ個性的センスを感じます。昔のアングラなCDのジャケットアートは、こんな感じの屈折したアート趣味が炸裂しているものがよくありますね。このCDは、90年代にコアなマニアの間で話題になったStock, Hausen & Walkman(ストック・ハウゼン&ウォークマン)なるサンプリングを多用した音のコラージュを特徴とする3人組ユニットのアルバム「Giving Up」です。現代音楽の大家、カールハインツ・シュトックハウゼンとは何の関係もありません。音はノイジーな実験的なノリですが、レトロでモンドなテイストがあり、妙な味わいもあって、独特な個性を感じます。

るんるんStock, Hausen & Walkman「Schweitzer」
だいたいほとんどのアルバムで、中身の半分以上は一発ネタっぽいいかれた感じの短い曲が締めているのですが、こういった味のある曲もたまに混じっています。何か出てくるかよくわからない箱の中に手を入れてクジを引いてるような感じになってくるのがストック・ハウゼン&ウォークマンのアルバムです。

そろそろ音楽の話はこの辺りにして、今回は電氣のビジュアルイメージをテーマに、古本コレクションなど紹介しつつアレコレ語ってみたいと思います。電氣、それは目に見えないながらも現代生活に欠かせない重要なエネルギーでありますが、あえて電氣をビジュアルでイメージすると、ニコラ・テスラのあの衝撃的なテスラ・コイルの放電現象などの、あの放電の花火のような稲妻が思い浮かびます。あとは変電所とか、電柱などでよく見る白いセラミックの蛇腹っぽいアレとか、すごく電氣っぽいフォルムだと思ってます。アレでは伝わらないので調べてみると、アレは碍子(がいし)という名前のようで、電線を絶縁するための器具のようです。蛇腹っぽく見えるのは、円形の碍子をいくつも重ねているからで、この数が多いほど送電線に流れる電圧が高いということになるようです。高圧電線からは有害な電磁波も周囲に放たれ、人体の健康や、作物の生育などにも影響があるようで、電氣の利便性と危険性は表裏一体というところでしょうか。しかしまぁ、よく考えてみれば、薬も量を間違えれば毒になりますし、食べ物も必要以上に摂取すれば病気を引き起こしますから、厳密には良い面だけの存在というのはこの世には存在しません。この世界のあらゆるものは、そのモノ自体は良くも悪くもなく存在していて、全ては扱い方次第なのでしょうね。

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参考写真がないかと散歩中にデジカメで撮ったスナップの中から探してみたら、碍子の写ってるものがいくつかありました。一時期よく電線を撮ってたのですが、碍子は電線の魅力を支える名傍役ですね。

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こちらも碍子を写したスナップ。

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これも碍子がいい味だしてますね。

メモ参考サイト
碍子(がいし)(ウィキペディアより)

テスラ・コイルのダイナミックな放電の図。(ウィキペディアより)
激しい放電の側で平然と読書をするニコラ・テスラ、有名なシーンですが、つくづくシュールな絵面ですね〜

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「電力」岩波写真文庫90 岩波書店 1960年 第4刷 表紙
この碍子の林のごとき壮観な変電所の写真が圧巻です。電氣感バリバリな感じが素敵です。まさに電氣楽園というか、まぁ、楽園と呼ぶにはかなりデンジャラスな感じの威圧感を感じる光景ですが、それもまた電氣の魅力でもありますね。ちなみに、この写真は南川越変電所を写したもののようです。見てるだけで強力な磁界に巻き込まれそうですね。

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同上。高圧送電線を紹介するページ。線画のように空間にそびえる数本の腕を持っている無骨な塔、見ていると、鉄塔同士が送電線を使ってあやとりをしているような感じがしてきます。

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同上。変電所の変圧器などの写真。ビリビリきそうな感じですね〜

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「子供電氣學」山本忠興著(小学生全集第58巻)興文社 昭和4年(1929年) 
小学生向けの学習読物の全集のうちの一冊ですが、大人が読んでもためになるくらいに内容は充実しています。トビラページのタイトルロゴが昭和モダンな雰囲気があってイイですね。

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同上。当時の家庭用電気器具を見開きで紹介しているページ。メカメカしい金属製品が標本のように並んでいる感じが素敵ですね。深緑のインクがまたシュール感を出していてぐっときます。

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同上。「電氣」づくしの目次が壮観ですね。文字量の多い本ですが、電氣感のあるメカニックな感じの図版も多く楽しい本です。

ほかに、電柱や電線、テレビなどのアンテナなども、電氣の妖しいイメージをかき立てるアイテムです。あの、いろいろな怪し気な形状をしたアンテナは、どこからともなくやってくる目に見えない電波を受信する装置でありますから、世界のどこかでは、この世の発信者の存在しない異世界からの情報をキャッチしてしまってるのかもしれない、などと、とりとめのない空想をしてると、不思議な気分になってきます。まさに、そうした空想をかき立てる余地を感じるところが、アンテナというオブジェの魅力でもあります。電波という、空中を飛び交う不可視の情報をチャッチするアンテナという存在には、どこかミステリアスな魅力があり、いい感じのアンテナを街中で見つけたときに運良くカメラの持ち合わせあれば必ずパチリとやってしまいます。以下、自前のスナップ写真の中からいくつかそういったアンテナ美を感じるものをチョイスしてみました。

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昨今、現代生活の必需品となったスマホなどの携帯型電話機の普及により、あちこちに電波を中継するための基地局に立てられている鉄塔を見かけるようになりましたが、あの鉄塔もマグリットの絵を見るときに感じるのと似た妙なぞわぞわ感があって惹かれますね。

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幻聴や妄想などは俗に「電波」と言われてたりもしますね。90年代あたりから言われだしたサブカル的な流行語でしたが、うまく現象を言い表してる便利さもあるためか、すっかり定着してしまった感があります。こうした俗語の定着も、電氣という奇妙なエネルギーへの恐れのようなものが無意識にあるためなのかどうか、気になるところです。妄想の類いには、しばしば「国家権力から脳波を盗聴されている」とか「隣の家から毒性の電波攻撃を受けている」とか、電波や電氣に関するものが多い印象がありますし、10年以上前に「スカラー電磁波」による攻撃から身を守るためという理由で白装束に身を包んだ某団体が世間を騒がせた事もありましたね。人魂もUFOもプラズマが原因だと主張する某教授とか、アメリカはプラズマ兵器で人工地震を世界各地で起こしている、といったプラズマ陰謀論のようなものなど、なにかと電氣に関連するさまざまな現象や物理的な力について、事実なのか妄想なのか区別のつきにくい様々な憶説、言説が無数にあります。こうしてみると、今やあらゆる現代文明の利器が電氣を頼っている時代でありながら、なおも電氣というものに、原始人が恐る恐る手にした火と同じような畏れがあるような気がしますし、そうした言説の背後にあるのは、そのような電氣への謎めいた神秘や畏れなのかもしれませんね。

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散歩中にふと空を見上げたら電線がいい感じだったので思わずシャッターをきった一枚。夕暮れの太陽を反射してきらめく電線が奇麗ですね。
posted by 八竹釣月 at 01:10| Comment(0) | 古本